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29巻
ヴィンランド・サガ ・ 2025-09-22
ヴィンランド・サガ 29巻
あらすじ
ヴィンランドに疫病が広がり、ノルド人とウーヌゥ人のあいだに疑心と憎悪が芽生える。トルフィンは族長へ撤退を提案し争いを止めようとするが、強硬派が交渉を砕く。アルネイズ村に戦争の炎が降りかかり、「仕方ない」の魔力に約束の地が飲み込まれる。エイナルもヒルドも、それぞれの正義を抱えたまま戦場へ引きずり込まれる。小麦と小屋で始めた建国の夢は、理想のままではいられない。
ネタバレ
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第29巻は、平和の国が疫病という不可視の敵に引き裂かれる巻だ。小麦畑と小屋が並ぶアルネイズ村に病が広がり、死と咳が日常を侵食する。ノルド人はウーヌゥ人との接触を疑い、ウーヌゥ側も「外から来た呪い」として怒りを蓄える。互いに自分たちの平和を守るために戦う計画が立ち上がり、ヴィンランドは「仕方ない」の言葉で武装していく。トルフィンはウーヌゥの族長の前で、村の撤退を含む戦争回避策を提示し、いったんは受け入れられるかに見えた。だが未曾有の危機を機に戦争強硬派が動き、交渉は決裂。ついに戦端が開かれ、矢と炎がアルネイズ村に落ちる。ヒャルティやエイナル、グズリーズ、ヒルド——それぞれの正義が戦場でぶつかり、トルフィンの非戦は「弱さ」か「強さ」かを問い直される。約束の地は血を知り、建国の夢が汚れる瞬間を第29巻は容赦なく描き切る。ココジャナイドコカ、と胸に刻んだ場所が、初めて本当に試される。