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37巻
バガボンド ・ 2014-07-23
バガボンド 37巻
あらすじ
剣に生き、鬼と化す──土に生き、土に死す──。第37巻は、対照的な二つの生き様が交わる巻だ。一世限りの孤独な鍛錬を、この世の剣に注ぎ込む武蔵。同じ孤独な研鑽を、後の世へ残る土の実りへと託す秀作。剣の道と農の道、決して理解し合えぬはずの二人の生き様が、か弱き稲一本の命を介して、やがて静かに交叉していく。武蔵はこの村での日々を通して、斬ることの外にある「実らせる」強さの手応えを、確かに心に刻んでいく。予期せぬ実りが、彼の内側にも芽吹き始める深化の一巻。
ネタバレ
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武蔵と秀作は、生き方も価値観もまるで違う。かたや剣で己を極めんとする者、かたや土に生涯を捧げ実りを未来へ遺さんとする者。言葉では分かり合えぬ二人だが、育てた稲がわずかに実を結ぶその瞬間、両者の孤独な鍛錬が同じ祈りに根ざしていたことが露わになる。武蔵は、勝ち負けの外にある充足――誰かの、何かの命を実らせることの喜び――を初めて深く味わう。斬るための強さを極めてきた男が、生かすための強さへと静かに変わっていく。剣を離れてなお、いやむしろ離れたからこそ、武蔵の魂は新たな高みへと進んでいく。