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36巻
バガボンド ・ 2013-10-23
バガボンド 36巻
あらすじ
飢饉の中、人も寒村も、生きる希望すら痩せ衰えてゆく──。第36巻では、“強く”あろうと開墾を続ける武蔵が、これまで直面したどんな敵よりも手強い相手、痩せた土と迫りくる冬に立ち向かう。剣で人を斬ることには誰よりも長けた武蔵も、土を生かし、実りをもたらす術は持たない。死の冷たさを抱いた冬の風が吹く前に、田の土に息を吹き込まねば、村人の命ごとすべてが凍りついてしまう。かつて“悪鬼”と呼ばれ、多くの命を奪ってきた男が、いま死地を拓き、そこを「希望」の地へと変えていく──剣を超えた強さの物語。
ネタバレ
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この巻の武蔵の敵は、飢えと寒さ、そして「間に合わない」という時間そのものだ。冬が来る前に土をよみがえらせなければ村は全滅する。人を斬る速さで培った集中と決断力を、武蔵は土と向き合うことに注ぎ込む。命を奪ってきた手で、今度は命を育てようとする姿に、かつての“悪鬼”の面影はもうない。試行錯誤と村人との協働の果てに、凍てついた大地にわずかな希望の芽が見え始める。強さとは他者を制することではなく、絶望の中で誰かを生かすことだと武蔵は身をもって知る。剣を握らぬ闘いのクライマックスへ、物語は静かに熱を帯びていく。