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35巻
バガボンド ・ 2013-04-23
バガボンド 35巻
あらすじ
水に勝ち、地を制する──武蔵の“無刀”の闘いが、いま始まる。第35巻では、「土の子」伊織と暮らす寒村で、武蔵は刀を鍬に持ち替え、荒れ地を田へと開墾していく。剣を捨てたわけではない。土を耕すその手つきにこそ、これまでの剣の道で培ったすべてが宿る。だが自然は容赦なく試練を課し、空を黒く塗り替えるほど凶暴な天変地異が村を襲う。逆巻く水と痩せた大地を前に、武蔵は「斬る強さ」ではない、もう一つの強さを問われる。困難の先にある「内なる無限」へと至るための、静かで壮絶な闘いを描く一巻。
ネタバレ
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剣を鍬に替えた武蔵の開墾は、そのまま新しい“剣術”の修行でもある。相手は人ではなく、水・土・天候という御しがたい自然そのもの。豪雨と氾濫が丹精した田を一夜で押し流し、村人の希望ごと呑み込んでいく。ここで武蔵は、力でねじ伏せる剣の理屈が自然には一切通用しないことを痛感する。伊織との暮らしを通して、彼は「勝つ」のではなく「受け入れ、ともに生きる」ことの強さに触れていく。血を流さぬ闘いの中でこそ、武蔵の求めてきた「内なる無限」の輪郭がゆっくりと見え始める、転換の巻。