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10巻
SPY×FAMILY ・ 2022-10-04
SPY×FAMILY 10巻
あらすじ
幼き日の黄昏は東国で両親と平凡に暮らしていた。友達との兵隊ごっこ、父親との些細な衝突——その日常は国境紛争で一夜にして消え、少年は「世界を知る」ためにスパイの道を選ぶ。偽家族を組む現在のロイドと重ねると、作戦〈梟〉の冷徹さが子供の空白から生まれたと見えてくる第十巻。
ネタバレ
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第十巻の核は、〈黄昏〉ロイド・フォージャーの幼少期だ。戦前の東国で、少年は両親と小さな家に暮らし、友達と兵隊ごっこをし、父の説教にむくれる——平和は「続いて当然」の空気だった。しかし国境紛争が街を焼き、家族は引き裂かれ、少年は「なぜ戦争が起きるのか」を知るために西へ逃れる。孤児院とストリートを経て西国の情報機関に拾われ、コードネーム〈黄昏〉として再定義される過程が断定的に描かれる。現在パートではアーニャ・ヨル・ボンドの日常が並行し、任務コードでは割り切れない「守る」感覚が幼いロイドの空白と重なる。作戦〈梟〉の合理性の根が、焼け跡の子供の恐怖にあるとわかる一冊だ。偽家族の笑劇の下に国境線の匂いがにじみ、デスモンド家接近という大目標の意味も塗り替わる。名前を捨てた男が、家族ごっこで名前を取り戻しかけている——その残酷さがコマの外まで残る。第十巻は、スパイの履歴書が家族コメディを後ろから突き上げる分岐点になる。