Volume file
14巻
チェンソーマン ・ 2023-04-04
チェンソーマン 14巻
あらすじ
アサがデンジとのデートに選んだ場所は水族館。惚れさせてデンジを武器にしようと目論むアサと、どうしてもペンギンが見たいデンジ。噛み合わない二人の前に、あの悪魔が現れる。床も常識も消える悪夢のデートは、恋愛にも暗殺にも回収されない結末へ落ちていく。欲望のすれ違いがそのまま死線になり、水族館という日常空間は優しさのない戦場へ一気に変貌する——チェンソーマン第14巻。
ネタバレ
内容を表示する
アサはデンジを水族館へ連れ出し、恋愛感情を餌に武器化しようと画策する。一方デンジの頭にあるのはペンギンと、自分なりの「普通のデート」だ。すれ違う欲望のまま二人が館内を彷徨うと、落下の悪魔が戦場をデート会場ごと上書きする。床が消え、常識が剥がれ、心の弱さを足場に落とす攻撃が二人を追い詰める。アサの自己嫌悪とデンジの空虚な飢えは、悪魔にとって都合のいい落差になり、笑い話だったデート計画は垂直落下の処刑場へ変わる。キガは戦争の論理で切り返そうとし、デンジはチェンソーの衝動と人間としての欲求のあいだで踏ん張りを失いかけ、デートは救済にも征服にもならない地獄へ落ちる。誰が誰を利用しているのか、落ちているのは身体か自尊心か——境界が溶けるなかで、それでも最後に残るのは誰かを「武器」や「夢」に還元できない生々しい感情の欠片だ。第14巻は、恋愛コメディの皮を被った悪魔劇が一度に剥がれる転換点であり、アサとデンジの関係を不可逆にねじる一冊となる。