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23巻
赤髪の白雪姫 ・ 2021-04-05
赤髪の白雪姫 23巻
あらすじ
ルギリア邸での夜会が終わり、静寂の中に新たな波紋が広がる。エイセツの密やかな要請を受け、オビはベルガットの残党という不穏な影を追うことになる。ツルバの屋敷へと向かうその足取りは、北の地に沈む古き因縁と、己の過去を再び浮き彫りにする。白雪とゼンが手繰り寄せた運命の糸が、ここでは冷徹な現実としてオビを突き放す。絡まり合う思惑の果て、護り手としての矜持が試される、切実なる転換の第23巻。
ネタバレ
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ベルガット家が残した禍根は、想像以上に深く根を張っていた。ツルバの屋敷でオビが対峙したのは、過去の記憶を呼び起こす血の臭いと、歪な忠誠心を抱く者たちの足跡だ。エイセツが警戒した「残党」の存在は、単なる脅しではなく、現在進行形で北の地を侵食する毒として機能している。オビは自身の出自や、これまで捨ててきたはずの『しがらみ』を突きつけられ、迷いの淵に立たされる。一方、白雪は自身の薬剤師としての知識を武器に、領内に撒かれた奇妙な香りの正体を突き止めようと奮闘する。しかし、その背後には権力の座を狙う冷酷な算段が隠されていた。ゼンは臣下としての責任と、白雪を守るという個人的な誓いの間で鋭く研ぎ澄まされた判断を迫られる。戦いとは剣を交えることだけではない。言葉と信頼、そして過去の清算という重い試練が、二人の絆をこれまで以上に固く、あるいは鋭く変容させていく。オビの孤独な戦いと、それを支える白雪の献身が交錯する時、北の地の冬は最も深く暗い季節を迎える。