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21巻
赤髪の白雪姫 ・ 2019-09-05
赤髪の白雪姫 21巻
あらすじ
木々への突然の求婚から始まったヒサメの揺るぎない攻勢は、王宮内の空気を一変させた。一方、ゼンは兄イザナよりウィラントへの赴任を命じられ、王都の座を離れる重責を担う。対照的にリリアスでは、白雪たちが命を削り改良を重ねた光る植物の審査会が目前に迫る。個人の愛と国家の公務、そして探求の果てに見る希望。それぞれが選んだ路の先で、運命の歯車が静かに、しかし確実に力強く噛み合いはじめる。二人の絆が試される、覚悟と決断の刻。
ネタバレ
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ヒサメによる直球の求婚は、木々の心に不可逆的な波紋を広げ、家門の思惑を超えた二人の関係性が新たな形へと再構築されていく。ゼンが受諾したウィラントへの赴任は、単なる地方視察ではない。王位継承者としての研鑽と、イザナが密かに目論む国内の勢力再編の布石である。ゼンは白雪への想いを胸に秘めつつ、領主としての実力を証明するために冷徹なまでの準備を進める。時を同じくして、リリアスではオリンマリスの光る個体が生物学者たちの厳しい視線にさらされていた。白雪は、これが単なる珍奇な草花ではなく、人々の生活を照らす灯りになり得ると証明するため、自らの全知識を注ぎ込んで論理を構築する。審査会当日、思いがけないトラブルに見舞われるも、彼女は動じず植物の持つ生態と有用性を熱弁し、学術界の権威たちを圧倒する。物理的な距離が離れていくゼンと白雪だが、通信越しに交わされる言葉は、互いの歩む道が正解であると確信させる深い信頼に満ちている。それぞれの持ち場で、自分たちが何者であり、誰のために戦うのか。その問いに対する彼らの答えが、ページをめくるたびに鮮烈に浮かび上がる。